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当ブログを立ち上げてから、みなさんの1日1%の成長(=成功)をサポートしたいと思い、学習の習慣の重要性や、定着にあたり重要な概念をシェアしてきました。

英語学習のコーチングを行う中で、

「学習しないといけないとわかっていても、集中力が続きません」

「勉強の優先順位がどうしても立てられないです」

という声が多いので、本日も、学習の習慣の定着の難しさ克服方法に関して、重要なポイントを解説します。

そこで、私の日常を変えたと言っても過言ではない書籍『Make Time』から得た知恵をお借りしたいと思います。

即実践ポイント

  • takeaways

    日常は無数のタスクと邪魔が存在するので、「習慣定着が困難なのは無理はない」と割り切る

  • takeaways

    今日絶対やること「ハイライト(Highlight)」を決めて1日スタート

  • takeaways

    「レーザーのような集中力(Laser Focus)」の確保は、意思の強さではなく、環境作りからスタート

『Make Time』とは

Make Time: 時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」

Google社で、GmailやYoutubeの製品デザインに携わっていたJake Knapp氏とJohn Zeratsky氏によって書かれた書籍です。

日本語版で言うと、『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』ですね。

この本の要旨を一言で言うと…

人生で重要だと思うことへの余裕を生み出す

方法について、わかりやすく解説しております。

学習の習慣定着に苦しむみなさまも、重要とはわかっていても、中々その余裕がないと思います。

過去の投稿でも「物理的な余裕」「心の余裕」についてお話しましたが、通ずる点がたくさんあります。

個人的には、生産性の達人 (“Productivity Guru”)としてYoutubeなどで有名なAli Abdaal氏を通じて知った書籍です。

頭の中ではわかっていても実践できていないことが盛り沢山で、わかりやすく書いて新鮮でした。

著者はGmailやYoutubeといった私の生活で欠かせないツールの開発の裏話を交え、

「どうしてこれらのツールが私達の集中力を阻害するのか」

と言う視点で書かれています。

特に、Youtubeなんて、”binge watch”(テレビや動画の「一気見」)をするために設計されているわけですから、どのようにして時間を消費するように設計されているかという視点は参考になりますよね!

さて、書籍の概要として、以下のようなわかりやすいチャートにまとめられています。

Make Time 4つのステップ

出典:Make Time公式サイト

この中でも、本日は前半2つの“Highlight”“Laser”を中心にお話いたします。

ですが、その前に、そもそも学習の習慣定着を容易にさせない現代社会の解説から、まずはスタートしましょう。

現代社会=無数のタスクと邪魔の塊

タスクで忙しい

そもそも論ですが、学習の習慣が定着難しいのも、無理はありません。

この現実を解説するにあたり、『Make Time』では“Busy Bandwagon”“Infinity Pools”という2つの概念が紹介されています。

(1) 忙しいことが当たり前の時流("Busy Bandwagon")

「忙しい=生産性が高い」「周りの人ほど忙しくなければ、遅れを取っている」と勘違いしている方も多いのではと思います。

私自身も、そう感じることは多々ありますし、このマインドセットは“Busy Bandwagon”です。

ここでいう“Bandwagon”と言うのは、直訳すると「楽隊車」ですが、比喩的に「流行」とか「時流」という意味も英語であります。

つまり、”Busy Bandwagon”というのは意訳すると…

忙しさの流れにのまれて、そのまま自分を見失う状態

を示唆していると解釈していただいて結構です。

皆さんの日常をイメージすればしっくり来るのではないでしょうか。

例えば…

上記のように、自分で形成したいと思っている習慣ではなく、外から来る忙しさに私達はどれだけ時間を費やしていますでしょうか。

もちろん、仕事や学校は自己実現にもつながりますし、「外から来る忙しさ=自分のためにならない」という短絡的な考えは間違っています。

しかし、無限のタスクが待ち構え、常にメールなどのツールで繋がって忙しくあることがデフォルトかつ世の中の期待値になっている日常を俯瞰しましょう。

そして、その中でどのように新たな学習習慣を入れていけるかを戦略的に考える必要がありますね。

(2) 無限に存在するコンテンツ("Infinity Pools" )

上記でいうBusy Bandwagonから逃れ、自分の時間を確保できたとしましょう。

しかし、現代社会はもう1つの敵が待ち構えています。

Make Timeでは、「”Infinity Pools”(無限のプール)」という面白い表現が使われています。

この表現を平たくいうと…

一旦入ってしまうと無限に情報が入ってくる状態

だと私は解釈しています。

わかりやすい具体例でいうと、YoutubeやInstagramなどのSNSのように、1つを見始めると、止まらない状態に引き込まれますよね。

常にコンテンツはアップされており、無限と思えるぐらい存在しています。

現代社会では、若い世代の人でこのようなサービスを使わない人は少数派と言ってもいいぐらい、日常生活の一部ですよね。

上記のBusy Bandwagonで説明したような忙しさとは違い、どちらかと言うと本来やらないといけないことを「邪魔」する意味合いの方が大きいと考えます。

一旦入ってしまうと、延々のループに引き込まれるように設計されているサービスは魅力的ですし、楽しいです。

私自身もSNSを利用する中で有益な情報も入手できますし、エンターテイメント目的でも享受しています。

そのメリットを完全に否定するつもりはないですが、完全絶つことができない場合は、最低限どのようにして共生していくかを戦略的に考える必要がありますね。

そこで、HighlightとLaserという概念を解説します!

1日のHighlightを定める

ハイライト Highlight

上記(1)の無限の忙しさと関連していますが、

「今日英語を学習しようと思っていたけど、できなかった」

などと、自己嫌悪や諦めモードになったことはないですか?

そこで、Make Timeでは“Highlight”1日の始めに設定することを推奨しております。

このHighlightとは…

今日必ず達成するべきこと

という意味です。

特に目新しい概念ではないと思うかもしれません。

なので、この言葉の意味をもう少し深く考えてみましょう。

「ハイライト」とは、日本語でもスポーツニュースでいう得点シーンなどの「重要な場面」であったり、蛍光ペンなどで線を引く「強調箇所」という意味がありますね。

私は、

「就寝前に1日を振り返った時に、これはやって良かった!と思えること」

と解釈しています。

1日をスポーツの試合と考え、その中で浮かんでくる重要な場面といった具合です。

しかし、「今日絶対に達成しないといけないことは何ですか?」ってコーチに言われても、「それがわかってたら苦労しません!」と逆ツッコミが学習者から来ることもあります。

…はい、ごもっともです。

そこで、1日のHighlightを選定するにあたり、Make Timeで紹介している基準が3つあります。

抽象的でわかりにくいかと思いますので、逆説的に噛み砕いて、私は以下のように解釈しています。

上記をもとに選定をし、私の場合は、1日の初めに確認するタスク一覧の中のHighlightには、文頭に(H)を書くようにします。

例えば、以下のような感じです。

To-doリスト

もっとわかりやすく、🔥などの絵文字をつけてわかりやすくしてもいいかもしれませんね!

なお、このタスクをHighlightにした理由は単純で、

「記事を書かないとヤバイ=ブログは成功しない」

「記事を書かないと後悔する=ベッドに入ってから頭グルグル」

「記事を書かないと悲しくなる=祝福のワインタイムが台無しに」

といった具合です。


さて、Highlightを実践するにあたり、目安の長さは60-90分と書籍では書かれています。

しかし、個人的には5分でもいいと思っています。

ただし、短くしたからには妥協はなしにしましょう。

例えば、

「一番重要なタスクの決め方はわかりました。TOEIC受験に向けた目標としては、英語の勉強を2時間することです。でも、2時間の塊がないです。」

と相談があったとしましょう。

このような「大きな目標」がある場合、毎日のHighlightは噛み砕いて考えるようにしましょうとアドバイスします。

例えば、以下のように、1日5分程度の学習に落とし込んでみましょう。

上記のような内容だと、具体的かつ取り掛かりやすいですよね?

一方で、

「リスニングをする」

「英単語の勉強をする」

などの曖昧な内容であれば、Highlightの分量がわかりにくいので、後回しになる確率が高くなります。(※タスク設定のコツについては、近日書く予定です。)

このように、取っ掛かりやすいレベルまで下げてスタートすることを、個人的にはオススメします。

今日から妥協できないぐらい小さい、かつ具体的なHighlightを設定することから始めましょう!

Laser Focusの環境を作る

Laser focus 集中

さて、今日のHighlightを設定して「よしやろう!」と張り切っている方も多いのではと思います。(…と願います。)

しかし、少々お待ちを!

行動に移る前に、もう1つ重要なことがあります。

携帯などの身の回りの誘惑対策は大丈夫ですか?

上記(2)で先述したように、SNSやニュースなどの無数の誘惑に満ち溢れた中で、「いかにして集中力を保つことが出来るか」も同じぐらい重要です。

Make Timeではこれらの誘惑にも負けない集中力を「Laser Focus(レーザーのような集中力)」と呼んでいます。

個人的には、この英語独特の表現から来る名称よりも、以下の合理的な考え方が好きです。(※内容は引用ではなく、要約です。)

意志の強さに頼らず、時間と集中力を守るだけのバリアーを作る

テクノロジーは個人的に大好きですが、諸刃の剣です。言い換えると、習慣の最強の仲間でもあり、最強の敵でもありますね。

そこで、「誘惑に負けないぞ!」といった精神論ではなく、どのようにしてバリアーを作るかを紹介します。


Make Timeには、数多くのコツが書いてありますが、本日は実践して良かったと思う方法を1つ紹介します。

それは…

どうしてアプリを使っているかをしっかり考えて、消す勇気を持つ

ことです。

大前提として、何のためにアプリが存在するか考えてみましょう。

基本的にどのコンテンツもブラウザーで検索可能がものが多い中、アプリはアクセスがしやすくなり、コンテンツの消化を促すために設計されていると考えます。

例えば、

「ニュースはみないといけないから、ニュースアプリは必要」

「情報収集のためだから、ニュースアプリは必要」

という考えが私の頭にはあり、いかにもらしい理由付けでした。

しかし、アプリがなくてもニュースはみれますよね。

この簡単な自問自答をすることなく、隙間時間があれば何も考えずにスクロールしてることが多かったです。

間違いなく1日30分は消化していたので、一週間で3時間半の計算です。

しかし、不思議なことに、アプリを使用せずに、”yahoo.co.jp“などを検索して、そこまで飛ばないといけない環境を作りました。

この数秒の操作でも「摩擦」前回の記事でも紹介しましたね)となることに気づきました。

結果として、貴重な隙間時間に目的のないニュース消化することをやめました。

とはいえ、完全にアプリを消すことに抵抗を覚えるかもしれません。その場合、最低でも通知オフにできますよね!

例えば、私はメールの通知を消して、返信時間を1日の中で決めることにしています。

実は、これは一番実践が怖かったです。

しかし、一番実践して良かったことです。(でも怖かったので、仕事のメールではなく、個人のメールからスタートしました。)

通知がなくても見る時間さえ決めておけば、次々飛んでくるメールに乱されることがありません。もし急用であれば電話が来ると信じて、メールの通知を消しましょう。

このように、ニュースやメールをやめたらいいという単純な話ではなく、集中的かつ意図的にInfinity Poolsと付き合っているといった方が適切でしょうかね!

当たり前と思えるようなことでも、実践するには勇気がいることも含まれるので、参考になればと思います!

最後に

いかがでしたか?本日は、Make Timeからの教訓を中心に、学習の習慣定着がどうして難しいのかどのように打ち勝っていくかをお話しましたね。

もう一度おさらいをすると、以下の3点になります。

みなさんも上記以外に様々な工夫をされていると思いますので、是非コメント欄でシェアお願いします。

また、コンテンツに関してリクエストや質問などがあれば、いつでもコメントやお問い合わせ欄にてお知らせください。

Happy Learning!