当ブログでは学生向けの学習のツールやTOEFLの学習法について綴ってきましたが、本日はそれらのノウハウの根幹にある自身のアメリカの大学院留学について語ります!
特に、専門分野である教育学の留学先を選定するにあたり、
ランキング以外にも考慮する要素がたくさんある
と感じた経験を軸に綴ります。
プロフィールにもあるように、ハーバード大学の教育大学院の修士課程を修了したわけではありますが、他に出願した大学院(スタンフォード大学、コロンビア大学、UCLA、ニューヨーク大学)にも合格しました。
また、博士課程は諸事情で進学をしなかったですが、UCLAとハワイ大学から合格をもらった経験がありますので、博士課程の選定についてもお話ししたいと思います。
※あくまでも個人の経験に基づいた私見であり、留学先に「正解」はないという前提でお読みください。
それでは、本題のアメリカの教育大学院の選定についてお話します!
まずは、ランキングの考え方・使い方を述べます。
そして、修士課程と博士課程の留学先を選定する上で、ランキング以外に考慮するべき要素について解説します。
1. アメリカの教育大学院のランキングについて
さて、まず初めにランキングについて、私見をお伝えしたいと思います。(教育学という分野に限った意見ではないです。)
ランキングは目安程度に
U.S. Newsなど、有名かつ権威のあるランキングは多々存在します。
私自身、今でもチェックすることはありますし、出願の際に参考にしました。
しかし、タイトルにある通り、ランキングはあくまでも目安に留めるべきと考えます。(その他参考にするべき要素は、修士課程と博士課程に分けて後述します。)
理由としては…
各プログラムの特徴、授与される学位の種類、立地条件などの個々のニーズに応える形で、公平に数値化しにくい
部分が多々あることです。
つまり、ランキング算出方法に問題があると考えます。
例えば、U.S. Newsでは、ハーバード大学が#1となっており、ペンシルベニア大学が#2となっていますが、ハーバード大学が優っているとは思いません。
具体的にいうと、ざっくりと「国際教育」を勉強したいと考えている場合、その中でも特に「国際開発」に興味があれば、ペンシルベニア大学のプログラムの方がかなり特化しています。
このように、学業面が重要になってくる大学院レベルでの進学先を選定するツールとして、ランキングは限定的です。
ランキングの使い方
ランキングについて否定的な見解を示しましたが、有益な点もあります。
例えば…
アメリカのどの大学に教育学のプログラムをあるか調べやすい
ことです。
残念なことに、そもそも教育学のプログラムを持っていない大学もあることもあり、膨大な情報のあるインターネット上で、どの大学がどのようなプログラムを持っているのか調べることは容易ではないです。
したがって、出願先を選定するにあたり、ランキングをみて、自分にあったプログラムや教授がいるかを上から1つずつ調べることには、役立つと思います。
私自身も、教育学のプログラムがどこの大学にあるか知らなかったときは、まずランキングに掲載されている大学から下調べしました!
2. アメリカの大学院の選定(修士課程)
今だから言えることですが、ランキング(即ち、知名度)だけに頼って、修士プログラムに出願しました。
冒頭でお伝えした通り、出願したアメリカの教育大学院はどこも有名大学です。
「教育学の修士課程レベルであれば、どこでも大きく変わらないし、名の知れているところに行けば大丈夫でしょ!」という考えでした。
日本の就職を前提すると強ち間違いではないですが、それだけで大学院に進学すると後悔すると思います。
理由は、プログラムの特色と学位の種類が思っているよりも重要だったからです。
それぞれの点、解説します。
プログラムの特色
私の修士課程の専門は、教育学の中でも「国際教育政策」でしたが、この言葉を聞いてどういうイメージをお持ちでしょうか?
「国際教育」という広い分野でも、高等教育の国際化なのか、国際開発なのかで全く学習内容は異なってきます。(両者、切っても切れない関係にはありますが。)
前者に興味があったのですが、ハーバード大学教育大学院では高等教育の国際化をメインに研究している教授はいませんでした。(博士課程の学生で1名いたぐらい。)
かつ、国際教育とはいっても、焦点を当てる国や地域によっても、各大学院の特色は異なってきます。
実際に、ハーバード大学教育大学院では、日本(もしくは東アジア)の教育を主に研究している教授は一人もいなかったです。
誰もいなかったからこそ、自身の知見や経験がクラスメートや教授の参考になり、存在価値を高めたかもしれないですが、学業の観点では(特に研究を視野に入れると)ベストなマッチだとは思えないです。
このように、修士課程とはいえども、大学の知名度だけに囚われると、プログラムの特色が二次的になり、必ずしもマッチングしない環境に進学してしまうことになります。
なので、自分の興味関心をしっかり調べ、プログラムの特色を調べ尽くすことの方が、ランキングよりも大切だと考えます。
学位の種類
出願時は全く意識していなかったですが、ざっくりと「教育大学院」とはいっても、修得する学位の種類は重要とキャリアを築く上で感じる次第です。
具体的には、ハーバード大学教育大学院の修士プログラムはどちらかというと「専門職大学院」に近いです。
言い換えると、研究をバリバリ行うというよりも、実業家(Practitoner)を養成する意味合いが強いです。(実際に、研究の道に進む人もいましたが、周りのほとんどは一般就職でした。)
よりわかりやすくいうと、私のプログラムでは卒論は不要でした。(任意で書けたと思いますが、書いている人はいませんでした。)
応じて、授与される学位もMaster of Arts (MA)などではなく、Master of Education (Ed.M)です。
個人的に、どうしてこの違いを意識しておけばよかったかと言いますと、博士号に出願する際に研究の経歴やスキルが問われたからです。
修士課程で卒論も書いてないし、特に大きな研究や執筆活動も行っていなかったので、その穴を埋めるべく博士課程の出願に苦労しました。(ただし、合格をしたので、Ed.Mから研究への道は無理ではないです。)
一方で、スタンフォード教育大学院の修士課程であれば、ハーバード大学教育大学院と同じ1年のプログラムですが、卒論も必須ですし、アカデミックな修士号(MA)になります。
両者ともアメリカの有名大学ですが、教育学の学位の違いに現れるように、研究をどこまで重要するのかも大学院によって異なります。
改めてお伝えすると、どちらの学位が良いと優越をつけるつもりはないです。
ただ単に、キャリアの目的に応じて、学位の違いが重要になることがあると意識することが必要というだけです。
なので、ランキングに頼りすぎず、各プログラムで授与される学位及び付随するカリキュラムを調べることも重要です!
3. アメリカの大学院の選定(博士課程)
個人的には、①教授とのマッチと②立地条件を中心にプログラムを探しました。
※大前提として、ここでいう博士課程は「Ph.D」のお話です。博士課程といえども、大きく分けてEd.DかPh.Dの2つの学位があります。(先述したEd.MとMAの違いが当てはまります。)
教授との相性
教育大学院に限ったわけではないですし、出願を検討している方ならご存知だと思いますが、「教授とのマッチ」がほぼ全てです。
しかし、教授との相性とはいっても、教育学の研究の興味関心に限ってはいません。
例えば、多くの大学の教授の研究に関心があって、文献を読み漁りましたが…
- 連絡を取っても返事が来ない
- 話しても、博士課程の学生を丁寧にアドバイジングする気があまりなさそう
- そもそも入学予定年度に博士課程の学生のアドバイジングをしない
- 興味のある教授の元で研究した学生にコンタクトすると、お勧めされなかった(自分の研究ばっかりでほったらかしなどの理由で)
など様々な状況が重なり、予定していた出願先を変更したりしました。
逆に、完全に研究の内容はマッチしていない教授でも、教育に対する思想の方向性が一致したので、アドバイザーになってもらうことになったケースもありました。
このように、ランキングではなく、じっくり時間をかけて教授との相性を調べ尽くすことが求められます。
立地条件
この点は様々な意見がありますが、アメリカの留学先がの大学の立地条件もかなり重要な要素だと考えます。
「博士課程は教授との相性第一だから、立地条件をこだわるなんて…」という意見をたくさん聞きましたが、その意見に対して懐疑的です。
理由としては、最低でも4年過ごすのであれば(プログラムや過去の学習歴によりますが)、私生活にも大きく影響するからです。
博士課程は非常にストレスのかかる時期なので、住みたくない場所に住んでいると、尚更辛いですよね。
例えば、出願にあたり、個人的には以下のような要素を考慮しました。
- 日本への距離(私用だけでなく学会や研究目的などでも帰りやすいか)
- 日本食へのアクセス(自炊をするので、かなり重要)
- リベラルか保守的か(リベラルな場所がいい)
- 天候(極端に寒い場所は苦手)
- 家賃(アメリカ都市部では、ワンルームで2,000ドル以上するところも多い)
修士課程の時はボストンに住みましたが、住みやすい場所ではあるものの、4年間住みたいかと言われると「うーん…」と言ったところでした。(主に天候と日本への距離が理由)
一方で、博士課程で合格をもらったUCLAやハワイ大学は、「家賃」を除いて、アメリカの都市の中でも上記の条件的には合致します。
当然ながら、実際に住んでみないとわからないですが、住んだことのない場所であれば、事前に訪問する(可能であれば)ことをお勧めします。
最後に
いかがでしたか?本日は自身の経験をもとに、アメリカの教育大学院で留学先を検討するにあたり、ランキング以外に大切にするべき要素についてお話しました。
出願課程の細かいコツや、肝心な教育学の学習内容や留学記録については別途綴る予定ですので、そちら乞うご期待ください!
今後も更にコンテンツを追加して充実させていきたいと思いますが、記事の内容のリクエストがあれば、是非コメントやお問い合わせください。
当ブログでは、ちょっとした工夫でも成長につながるということを信念に、みなさんの1日1%の成長(=当ブログでいう”成功”)をサポートしていきたいと思います。
そのためにも、ハーバード教育大学院で留学経験や、英語講師やコーチングの経験をもとに、学習にまつわる生産性や効率性、また具体的なツールなどをテーマに定期的に情報配信していきます。
Happy Learning!