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本日はTOEICとTOEFL対策に励む皆さんに、この2つの試験の勉強を同時に進める上でのコツを解説します!

就職と留学の準備を並行して進めたいなど、同時に勉強したい事情は様々だと思います。

英語力を測る試験ではあるので、どちらも勉強するには越したことはないですが、アプローチが変わってくるので、その点を解説します!

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TOEFLをベースにした結論から言うと、以下となります。

  • TOEFL ITPを勉強している人

    (1) TOEICで求められているスキルが似ているので、並行は可能。
    (2) ただし、英単語だけはそれぞれの試験で特化したものをを覚える。
    (3) 文法はITPを軸に勉強する。

  • TOEFL iBTを勉強している人

    (1) iBTの難しさはTOEICと比べものにならないので、TOEFL対策をしておけばTOEICは簡単に感じるはず。
    (2) iBTは文法の直接的な知識が問われないので、別途TOEIC対策したほうがいい。
    (3)リスニングもお手上げであれば、TOEICから。

1. TOEICとTOEFLのそもそもの違い

TOEFLとTOEIC

まず、同時に勉強を進める上で、違いを知っておくことも必要です。

なので、知っているようで知らないTOEICとTOEFLの大きな違いは何かを、まずは解説します。

(ご存知の方はスキップしていただいて結構です!)

 アカデミック vs. ビジネス

TOEFLは大学などの教育機関で英語で学習するだけの能力があるか試すテストです。

なので、TOEFLでは、学生生活や大学の授業の様子が状況としてよく出てきます。

一方で、TOEICはビジネスの場で英語を運用する能力があるかを測る試験です。

したがって、TOEICはオフィスでの会話や仕事のEmailなど、社会人を想定した内容が中心となります。

後述しますが、英単語を学習する上では、重要な違いになります。

 4技能 vs. 2技能

TOEFL iBTはスピーキング・ライティングという「アウトプット」が求められる試験なので、難しいと言われています。

TOEICもスピーキング・ライティングも含まれるTOEIC® Speaking & Writing Testもありますが、通称「TOEIC」と言うのは、リスニング・リーディングのみの試験を指す方が大半かと思います。

スピーキング・ライティングは両テストの共通部分ではないので、当記事では割愛して、英単語・文法・リスニングの対策のポイントをそれぞれ解説します。

ただし、TOEFL iBTのスピーキング・ライティング対策方法についても知りたい方は、以前に記事を複数書いておりますので、チェックしてみてください。

 どちらが難しいのか

TOEFLもTOEICも講師・コーチとして指導してきましたが、試されている英語力そのもので言うと、TOEFLの方が難しいです。

換算スコア表もありますが、一概に比較できるものでもないと思います。


具体的にいうと、学生がTOEICに挑むとなると、不利になることもあります。

例えば、先日、学生の学習者から「会社は1つだけでなく、子会社と繋がりがあるイメージが掴めなかった」と相談がありました。

社会人であれば、簡単に想像がつく内容だと思います。

また、オフィスで起きる問題やビジネス用語などイメージがつくので、英語力がなくても背景知識で補って「何となく解ける」ことがあります。

一方で、普段から勉強に励む学生であれば、社会人に比べてTOEFLで出題されるアカデミックな内容がしっくりくるかもしれません。

 TOEFLは就職では役立つのか

残念ながら、一般的にはTOEFLの認知度は低いので、場合によるでしょう。

TOEFLは、一般的には就活を想定したテストでもなく、アピールになるかどうかは会社次第だと思います。

TOEFL受験経験のある人が、人事の採用担当だった場合、おそらく大変さは汲み取ってくれるでしょう。

一方で、TOEFLとTOEICの違いがわからない人にアピールしてもあまり意味ないので、世間で一般的に知られているTOEICの高得点の方がインパクトはあるでしょう。

いずれにせよ、TOEFLで高得点を取ってマイナスにはならないでしょうし、私も応募する職種に関わらず必ず履歴書には書くようにしています。

2. TOEFL ITPとTOEICを同時に勉強

英語の勉強

結論から言うと、共通点は多いので、基本的にどちらかを軸に学習をすれば問題ないです。

後述する英単語とリスニングの例外をのぞき、TOEFL ITP対策を行っていればTOEICは十分対応できます。

なお、逆も然りで、TOEICを中心に学習して、少しプラスアルファでTOEFL ITP対策をすれば、そこまで恐れる必要はないと考えます。

 英単語対策

まず、英単語が一番大きな違いです。

なので、語彙については、別途対策が必要と考えてもいいでしょう。

例えば、”department”という英単語を例に挙げます。

TOEICでは、会社などの「部署」を指します。

一方で、TOEFLでは、大学などの「学科」という意味で出てくることが多いです。


また、TOEIC特有の頻出英単語もあります。

例えば、”agenda”という英単語です。

社会人の方だとカタカナで使われるようになっているアジェンダ(協議事項)という言葉ですが、学生であればパッと出て来ないかもしれません。

同様に、TOEFLではよく出てくる”photosynthesis(光合成) “という英単語をTOEICで見かけることはないでしょう。

このように、英単語はそれぞれのテスト特有のものを知っておくと、怖いものはないです。

参考までに、単語帳の代表例を貼り付けておきます!

 文法対策

結論から申し上げると、TOEFL ITP・TOEICの両方で、穴埋め形式の文法問題が出題されますので、対策上そこまで大きな違いはないです。

ただし、TOEFL ITPで高得点を目指す方については、以下のように問題集に目を通しておくといいでしょう。

というのも、TOEFL ITPの方が出題される英文法の知識のレベルは、TOEFLよりも高めに設定されているからです。

例えば、TOEICでは各選択肢が一語ですが、TOEFL ITPでは、選択肢に複数の単語が順番を変えて並べられます。

Throughout the animal kingdom, ________ bigger than the elephant.

A. whale is only the
B. is the whale only
C. only whale is the
D. only the whale is

(出典:ETS公式サイト


かつ、以下のような「間違い探し」もあります。

Guppies are sometimes (A) call rainbow fish (B) due to the (C) bright colors of (D) the males.

(出典:ETS公式サイト

まとめますと、TOEFL ITP・TOEICで共通する文法事項は多いので、構えすぎる必要はないです。

しかし、TOEFL ITPを軸に学習しておくと怖いものはないといった感覚です。

 リスニング対策

後述する注意点を除き、文法同様にリスニングにも共通点は沢山あります。

なので、どちらでも対策は基本的に大きく変わらないと考えます。

理由は、TOEFL ITP・TOEIC共に、リスニングは短いものから長いものまで満遍なく出題され、似ているからです。(先述した状況設定や英単語には違いはありますが。)

なので、リスニング力そのものについては、どちらを軸に対策しても大きな違いはないと考えます。

したがって、どちら試験対策を軸にしてもいいので、シャドーイングやディクテーションを行いながら、進めてください!


ただし、注意点は2点あります。

まず、1点目は、TOEFL ITPの方が慣用句を知っていないと解けない問題が多く含まれている点です。

例えば、リスニングで”I’m up to my earns in homework.” などが出てきます。

宿題で一杯一杯でという意味ですが、このような表現はTOEICでは出てきません。

なので、そちらはスクリプトを確認しながら学習したり、必要に応じて以下のような参考書で対策を練る必要があります。

また、2点目はTOEICでは様々なアクセントが登場する点です。

TOEFLはアメリカの発音がメインですが、TOEICはイギリス・オーストラリア・カナダのアクセントもバランスよく出てきます。

したがって、これらのアクセントの特徴を知っておく必要もあります。

3. TOEFL iBTとTOEICを同時に勉強

英語の勉強

まず、「TOEFL iBTのスコアが必要だから同時に勉強を検討している」と想定します。

そのような方については、TOEICは一旦忘れて、基本的にはTOEFL iBTの対策をした方がいいと思います。

理由は、TOEFL iBTで求められる英語運用能力がTOEICと比にならないからです。

ただし、文法とリスニングについては、個々の状況次第ですので、注意点について解説します。

 英単語対策

結論から言うと、TOEFL iBT向けの英単語をまず学習しましょう。

TOEIC独特の英単語はありますが、TOEFL iBTの方がITPよりも覚える単語量が多く、TOEICとの重複も多いです。

なので、TOEFL iBT向けの英単語を学習すれば、怖いものはないと考えます。

皆さんご存知だとは思いますが、英単語帳の代表例は以下の通りです。

もしどうしても不安なら、TOEIC受験が決まったら、TOEICの英単語だけを集中して対策すると言うのでもOKです。

 文法対策

文法については一概に言うことが難しいです。

というのも、TOEFL iBTはITPと異なり、直接的に文法知識を問われることがないからです。

具体的には、穴埋めで正しい選択肢を選びなさいという問題はないです。

正しく英文法が使えるかは、スピーキング・ライティングで測定されます。


だからと言って、TOEFL iBTを勉強している人であれば、TOEIC対策が不要とは思いません。

例えば、留学に向けてTOEFLもしっかり学習し、留学を終えてTOEICを受ける学習者を指導しました。

英語を使うことには慣れていますが、「感覚」で使ってしまう癖がついて、TOEIC形式の穴埋め形式になると、文法の細かいルールがしっかり思い出せないパターンです。

なので、TOEFL iBTの対策を行っても、英文法が曖昧な状態の人は、以下のようなTOEICの教材を使って復習する価値はかなりあると思います。

 リスニング対策

文法同様、リスニング対策もレベル次第なので、一概には言えません。

しかし、まずはTOEFL iBTのリスニングをやってみて、「お手上げ」状態であれば、TOEICの教材を中心に学習することをお勧めします。

理由としては、TOEFL iBTのリスニングはとにかく長い(3〜5分)ので、この程度の長さの音源を聴くだけ脳が鍛えられているか次第だからです。

そもそも、英語の音が正しく聞き取れない状態で、TOEFL iBT対策をしても挫折するだけだと思います。

したがって、TOEICのような短めのリスニング音源を使って、シャドーイング・ディクテーションに徹した方がいいからです。

一方で、TOEICのPart3-4が既に8-9割できている人であれば、TOEFL iBTの対策に移ってみてもいいでしょう。(それでも、TOEFL iBTはお手上げになると思いますので、そこからも長い道のりです!)

最後に

いかがでしたか?本日は、TOEICとTOEFLを同時に勉強するコツを解説しました!

それぞれ特徴のあるテストですが、TOEFL ITPではあればTOEICと基本的な対策は変わりません!

一方で、TOEFL iBTはTOEICとレベルの差が大きいので、今のレベルに応じて同時学習を調整するべきです。

今後も更にコンテンツを追加して充実させていきたいと思いますが、皆さんがその他実践されている英語学習法や、記事の内容や無料テンプレートのリクエストがあれば、是非コメントやお問い合わせください。


このようなちょっとした工夫でも成長につながるということを信念に、みなさんの1日1%の成長(=当ブログでいう”成功”)をサポートしていきたいと思います。

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